コットンを使ったアトピー服
38年以上にもわたるアトピー用の衣類市場での経験から生まれた比類ない知識の深さを誇り、非常に痒みを伴うエグゼマとともに生活するためには何が有効であり、かつ、日常的に使う衣類に対する解決策を提案いたします。
多くのCotton Comfortのお客様は、成人して大人になっても子供の頃に着ていたオーガニックコットンのアトピー服の心地よさを覚えていて、今は自分の子供たちの為に再びCotton Comfortのオーガニックコットンパジャマを買ってくれているのです。
私の物語は、長女が1977年に誕生した時にはじまりました。1978年には、彼女はかなり深刻なアトピーを患っていました。かわいそうに、一日中掻きむしっては泣いていました。顔の症状もひどく、目の周りにも発症していた為、朝、時には目が開かず、濡らしてしめらせないといけなかったほどでした。また靴下は皮膚にへばりついてしまい、これも浸してそっと外すか上手くいかない場合は切り目を入れて外さないといけませんでした。また、頭皮にも症状は出ていたので、洗うのにも櫛を通すのにも痛みを伴いました。結果、まだ赤ちゃんなのに出会う人出会う人が彼女にかける言葉は、「あぁ、かわいい!」といった賛辞ではなく「あぁ、かわいそうに・・・」といったものでした。到底、幼児の自尊心にとっては良い影響ではないですし、自信喪失にもつながりかねませんでした。
両親や家族のみんなにとって、赤ちゃんが痒みで涙する姿や、自分で掻きむしった傷のために血だらけになって朝目覚める姿なのを見るのは、本当にかわいそうで心底耐えがたいものでした。眠れない夜は夫婦にも、そして他の兄弟姉妹たちにもその悪影響を及ぼしはじめました。なによりも、それ以外に手段も手立てもなく、その痒みから掻きむしるしかない子供に対して、「かいちゃだめ」と叱ることは、子供の自尊心を傷つけていきました。家族みんなに影響が及び、そして、みんなの睡眠が奪われていました。
1950年代の私が生まれた頃なら、子供たちは病院のベッドに縛り付けて掻くのを防いでいたようなものでしたが、1970年代になっても、今となっては適切ではない処置である、手袋をかぶせて傷だらけの手首にきつく締め付けていたものでした。
そうして、私のコットンを使ったアトピー服の旅が始まったのです。
時には傷だらけの手に「靴下をテープで固定しなさい」というアドバイスを受けたりしましたが、もちろん、これでは彼女の指をぎゅっとつぶしてしまうし、靴下の素材では長時間使用していると熱すぎるし痒くなるし、そもそも、それだとすでに傷だらけで痛んでいる手首にくくりつけるかテープで止めるかしないといけなかったのです。また、100%オーガニックコットのの衣類を身に着けるようにとも、アドバイスされました。しかし、ナイロン製品が市場を独占している70年代後半では、100%コットンの衣類などなかなか見つからなかったのです。こうして、私のコットン素材を求める旅が始まりました。また、かかないようにズボンをはけばよいかというと、当然ズボンをまくっては痒い所を掻いていたのでした。
もっとも痒みがひどい時間帯というのは、やはり、夜間でした。夜寝ている間に足をかかないようにするために、私は彼女の足をそのまますっぽり枕カバーで覆うことにしたのです。毎晩枕カバーと上の服を縫い付けて。どうしてもかゆくてかきたい子供というのは、いろいろ試行錯誤し方法を見つけ出すのです。その時は、手が届かなくなっても足を使ってかゆいところを掻き始めたのでした。
娘は衣類の内側の縫い目を使ってかゆいところをこすりあわせていましたので、ほとんどの場合で、服は裏表逆に来ていました。そこで私が、袖口にボタンをつけ、縫い目は外側にし、背中側にボタンを付けたつなぎのパジャマを作ったのです。つまり、これが今現在に至って40年近くもの長い間みなさんに愛用されている、「エコオーガニック」パジャマの第一号だったわけです。
けれども、娘は当然ながらお姉ちゃんが来ているような普通の服を着たがりました。けれど、子供向けの当時のタイツなどというものは、100%ナイロン製。そこで私は必死にコットン製のタイツを我が子の為に探し求めました。1976年には「Eczema Society」がイギリスでは設立され、ジャーナリストであるクリスティン・オートンが書いた自分自身の息子のアトピーについての経験談を見つけたのです。そこで私は彼女にコンタクトし、何か助けになるような情報がないかと尋ねたのです。が、回答は「何か見つけたら、私にも教えてくださいね」でした。
そこから私はいくつもの工場に電話をかけまくり(もちろん、インターネットなんてない時代。私は地元の図書館で電話帳を読み漁って番号を探しました)、最終的にレスター州のある工場長が、ずいぶんと古い機械で何年も前にコットンのタイツを作っていたっけなぁ、、、という記憶にたどり着いたのです。そこで、彼は私が3千足発注したら機械をもう一度走らせても良いよ、と言ってくれたのでした。私はどうしても娘の為にコットンのタイツを手に入れたかったので、なんとその申し出を了解してしまったのでした!もちろん、電話を置いた瞬間に震えが来ました・・・どうしよう!!
次に私は先の「Eczema Society」のクリスティンに連絡しました。当然、彼女も喜んでくれて、私のタイツのことを次号の会報で記載してくれたのです。結果というと?なんと、タイツが私の手元に納品される前から、問い合わせや注文が殺到したのでした!そして、3千足を見事に完売したのです。
1979年までには、私はなんとかして他の見つけるのが大変難しいようなアイテムを見つけ出しては、他のアトピー患者さんたちに転売していったのです。それは、「商売」というよりはむしろ「助け合い」のグループでした。そして1980年になってやっと、私は基本的な情報を掲載したカタログを作成し、そのベンチャービジネスの名称も「Cotton On」としました。その後1981年になって、初めてのカラーカタログを発行しました。
徐々にこのビジネスが我が家を飲み込んでしまっていたので、私は事務所を構えました。従来のコットン製品では化学物質が製造過程で使われていました。それらは、当然ながらアトピーの肌には大変悪影響を及ぼすものでした。その最たるものが、ホルムアルデヒドでした。今日、中国やバングラデシュで作られる安価な衣料の出現にともなってその使用量も増えていっているのでした。
前代未聞のアトピー用のパジャマの製作は、大変世間の注目も集めました。1885年刊行の有名情報雑誌である「Good Housekeeping Magazine」では、私を「Enterprising Woman」と称し、英国で権威ある小児科病院の「Great Ormond Street Hospital」勤務のDavid Atherton教授は、私のアトピー用パジャマをまさにこういったものが必要であったのだと、承認賛同してくれたのでした。
1983年には「Breakfast TV」でMary Parkinson(あの有名なMichael Parkinsonの奥様!!)にインタビューされ、切実なアトピー患者のみなさんから本当にたくさんの問い合わせを受けたのもです。こうして、私のビジネスはどんどん成長していきました。
1980年代中旬から、オーガニックコットンの生産が世の中で始まっていました。しかし、初期のオーガニックコットン素材はとても敏感肌には向いていませんでした。なぜなら、繊維にコットンの殻を残している製法だったのです。素材的には、地球環境に優しいものでしたが、お肌にはとてもじゃないですが優しいものではなかったのです。
「Cotton On」に没頭するにつれ、ビジネスはどんどん成長していきました。けれど、少しばかりか急激に成長し続けてしまったのです。メディアなどで私の事業が取り上げられる度に、切実なアトピー患者のみなさんからのカタログ要請のお便りが届きました。カタログの印刷費用は、実際に販売が成立する前に膨れ上がり、後ろ盾も資金もない「Cotton On」は1997年に破綻してしまったのです。
私はもう事業をするつもりはありませんでしたが、数週間後、ある転機となる2つの出来事が起こりました。アトピーパジャマを作っていた工場の持ち主が私にもう一度パジャマを販売したいかと、電話をくれたのです。私は「もう無理です」と答えたところ彼は「工場にはパジャマのストックがまだ残っているので販売できないか」と言ったのでした。同時に、私の方でも「Cotton On」のお客様で、全国の切実なアトピー患者からアトピーパジャマなしにはやっていけないという有難いお便りが届き続けていたのです。私は決意しました。作られてそのままになっているストックを、お客様へ届けることを。私はこの新しい事業を空いた一部屋で開始しました。そうです、これが今の「Cotton Comfort」のはじまりなのです。
今あるデザインの製品は、私の長年の経験と知見に基づいて随時更新され改良を重ねています。そして、9つのパジャマのデザインは特許も申請しました。これらは何年ものあいだにわたる試行錯誤の結果、改良に改良を重ね、「National Eczema Society」において非常に貴重なアトピー服のシリーズであると認められています。それだけでなく、イギリスにおける優れた小児皮膚科の医師からも、アトピー用の服として最も適した衣類であると言われています。
ほんの短い期間で、私のビジネスは再び軌道にのり、手助けをしてくださるスタッフを雇って朝の2時からみなさんの注文に応えています。そして、「Cotton Comfort」は今ではイギリス北部の町、Yorkに倉庫を構えてビジネスを続けています。
なお、最後に最近になって販売されている「Cotton Comfort」の安価な模倣品に注意してください。アジア、日本の地域では「Dreamnappies.com」が正規に登録されたホールセールパートナーです。本物のアトピー服を、正規店からお買い求めください。



<Cotton Comfortウェブサイトより>